近頃 経理がらみの新しいソフトを体験しつつ それの評価をしよう という仕事に係り切りになっています

AI的な機能も満載で 会計等の専門知識のないひとでも使いこなせて 月次の試算表程度なら作れる といったものです

請求書作成や給与計算とも連動し また銀行預金の動きなどについても直接データを取り込める などと良いところだらけ

と言われています

確かに教科書通りの動きで終始できるならば 問題はないと言えます

しかし 人間の動きましてやその人間の集合体である会社の動きが 想定通りであることは稀です

つまり 想定通りで会社や人間が動けば問題はなく 便利なのです

問題はそれができなかったときです

そもそも想定外ですから そのような想定外が発生しているということにすぐには簡単に気付けない ということがありますし

想定外ですから 訂正が不可能とまでは言いませんが イレギュラー処理の連続になります

訂正することに時間もイレギュラーな処理も必要となる と判明したら

私たちは想定通りに動こう と 自分たちの行動をルールで縛り そこからはみ出さないようにしようと対応します

最悪 訂正が必要な事態が起こったこと自体隠したい ごまかしたい などという思いも生じかねません

その結果 ソフトに嫌われないように ソフトに使われることになります

私は会社の活動やその記録としての経理などは きわめて人間の特性が出ざるを得ない仕事だと思っています

もちろん みんながそれぞれ好き勝手にしてよい ということではありませんが

いくら注意していても間違いが起こることもあれば

相手のある活動ですから先方都合で内容の訂正も生じます

昔 会計ソフトを作成する仕事に参加した時 注意をしていても ルールに従っていても 訂正は生じるので

それに対する対応はどうするのか と質問した時

「訂正は生じさせてはいけない」「訂正を認めてはいけない」それが正しい適法な行動であるという答えをいただいたことがあります

その時と今では内容は違ってきていますが

それでも「人間の集まり」の動きの特性は十分検討されるべきという思いはかわりません

昨今AIの発展は目覚ましく その恩恵は計り知れない と言われていますが

私たちがAIに気付かないまま支配されつつある ということはないのか と不安になります