企業のAI利用には経済合理性だけでなく社会的責任の観点も欠かせない
ということが言われるようになってきている と感じます
AIの世界では「ELSI](エルシー)という考え方が意識されるようになった と言われています
ELSIとは倫理的・法的・社会的課題の英語の頭文字をつないだもので
生命科学や医療研究で使われることが多かった考え方だったもので
それが爆発的な普及と進化を続けるAIについても 倫理面などで議論が起きてきた ということで
当然の流れともいえることだと思います
AIは学習するデータや開発仕様などによっては 偏見や差別を助長することもできるものです
SF小説にあるようなAIによって人間が支配される社会などが実現することはないとは思いますが
そのような方向に無関心でひたすら効率やコスト削減を求め続けると あるいはそれを絶対的善とする思想がはびこると
SF小説の世界などと笑っていられない事態も出現しないとは言えないなどと どこかゾッとする気持ちもあります
京都大学で哲学を研究し AIに関する著書もある出口教授は
「AIの進歩で問われているのは人間の存在意義に他ならない」とおっしゃっています
米哲学者のアマンダ・アスケル氏がAIに道徳や倫理を教えていることも有名です
大阪大とのELSI研究に関わって来たメルカリの井上氏は「技術的に可能であってもすべきではないことはある」と語っておられると聞きました
AIは便利だ とか 人手不足を補ってくれる とか AIを上手に使いこなせる人が競争を勝ち抜けるなどと
単純かつ短期的な視野で夢中になるのではなく
これからは「AIになにができるか」だけではなく「人間はなにをすべきか」を考えていかなければならない
ということを AIに触れる一人ひとりが忘れてしまっては 本当に大変な世の中を招き寄せてしまうのです