少子化について 話題に上るたびに思うことがあります

自分の生活やキャリアの充実を優先するあまり 子供を持つことを後回しにする人が多くなった

という意見を少なからず耳にします

だから 女性の社会進出などといって女性が仕事を持つことを持てはやし 甘やかすから子供を産まないのだ

などという声には ただただ いまだにこんなことを恥ずかしげもなく言う人がいるのだと あきれることを通り過ぎ

この様な意識が子供を産み育てることに対する障害になっているとわかってください と強く願います

女性が高い教育をうけて社会にでると 子供を産まなくなるという通説があるようですが

近年の調査ではその相関関係は逆であると確認されています

少子化対応に成功したと言われるフランスの現状を見に行ったとき 

高等教育をうけ仕事で成功する女性の方が 企業内ならば役職についているような女性の方が

より多くの子供がいることを目の当たりにしました

ではなぜ日本ではそのような傾向が見られないのか と思います

多分 年功序列的な評価や昇進が色濃く残っている日本では 

出産などの大きなライフイベントを経験してきた女性は不利になるケースが多いということがすぐ思い浮かびます

法の整備や制度の充実は整ってきても 子供を抱えた女性に対して なんら配慮のない むしろ

それはイジメではないか と思いたくなるような働き方の強制やそれを強いる職場環境を放置しているケースが多々見られます

また 日本の所得税制や社会保険制度などでは専業主婦が家事と育児に専念する方が大きい特典を受ける制度設計となっています

子供を育て見守るために自費で多額の支出をし 満足のいく育児ができないストレスを抱えてまで働いて 給料を多くもらうと

むしろ家族全体としてはマイナスになるという制度ならば そんなに働きたくない というのは当たり前です

今の日本の少子化は 自分たちのキャリアアップのために子供を犠牲にしているのではなく

出産育児と仕事の両立のためには「男と肩をならべ」なければならない社内環境や退職金制度や

それだけ頑張っても何も良いことはないという制度 

その結果として 労働市場の流動性がゆがんだり そして将来の安定性や経済的な不安を大きくしたりして

結婚したり子供を持つ生活について希望が持てなくなっている人たちを増やしているのではないかと思います

これらは「子供手当の増額」などという方策だけでは解決しないと思います

「異次元の少子化対策」というならもっと抜本的な見直しをしなくては・・と思うのですが