最近見た本で「消極的利己主義」なることばを知りました

「出る杭」になってチャレンジをしても損するだけ 

何もしないほうが得 という利己主義のことを言うようです

高度経済成長のころは社会も企業も突出した人を求め

それが全体の成長にもつながっていたけれど

低成長時代に入ると 限られたパイを奪い合い

「出る杭を打つ」空気が強くなってきている ということのようです

確かに コロナ禍で 今まであった行事が中止されたりすると

残念と思う前に 負担が減ってホッとした と思ったり

町内会で地域運動会が中止になって「よかった」と思ったり

そういわれれば と思い当たる節があります

大企業やお役所ではリスクを冒してチャレンジするより何もしない人が出世すると言われますし

「リスクを冒してチャレンジするか」との質問に6割を超える人しないと答えたという調査結果もあるようです

「会社でどのような新人に来てほしいか」という質問には

「自分から新しいことに挑戦する新人に入ってきてほしい」 という答えがある反面

「同僚として積極的にチャレンジする人と周囲との調和を大事にする人のどちらを好むか」 という質問には

やはり6割を超える人が調和を大事にする人 と答えているという結果がある ということです

同志社大学の太田教授によると「授業中にわかっていても挙手や発言をしないことがある」と答えた学生は

9割近くになるということでした

太田教授によると

社会を前向きな思考に転換するには

特定の個人にしわ寄せがいかないよう負担を公平にする制度や

外部から組織の空気や規範にとらわれない異質な人材を入れ

「出る杭を伸ばす」「出る杭が伸びる」組織に変えていくべきと強調されています

「出る杭はたたかれる」というのは

既存の力を持っている人たちが「出る杭」がでると

今までの優位な立場を失くし 新しい努力を強いられるということになることを防ごうと行動したり

今までの自分たちの心地よい環境をなくすことを恐れたりする ことによっておこると言われています

みんなが「ぬるま湯」に浸かっている現状を心地よいと思い 

それを乱されることを嫌うといった

硬直的な組織をかき混ぜ

その結果得られる新しい環境に希望を見出だす といった

組織内の風を常に吹かせるようにする ということが

消極的利己主義をなくし 全体を成長させるためには必要ではないかと思っています