先日、不正・不祥事の事例研修会に参加してきました

新聞紙上をにぎわすような不正や不祥事が発覚してニュースになると 

みんな驚いたり その経緯や内容にうなずいたりします

その時は せめて自分の周りではこのようなことがないようにしようなどと思っていると思うのですが

またしても 不正や不祥事が発生してまたニュースになります

そのようなニュースを見て 内心ドキッとした人も少なからずあったと思うのですが

なぜ またしても同じようなことが起こってしまうのかと思います

同時に 不正や不祥事が発生することに ある種慣れっこになっていることにも 都度反省の気持ちになってもいます

研修において 不正を見逃す心理について興味深いお話を聞きました(というかそれすら知っていたのに活かせていない・・という話でもあるのですが)

幾つかの項目について聞いたことを整理すると

1.社会的手抜き

  フランスの農学者リンゲルマンの説ですが
  
  「綱引きをする人数を増減させた時の一人当たりの力の変化」を観察した結果

  一人目を100%とした場合 人数が増えるにしたがって一人当たりの力は少なくなっていく 
 
 ことがわかった ということです

 一人より二人になれば力は2倍になり 三人になれば3倍になるのか と思いきや

 そうはならなくて なんと8人になれば一人当たりの力は49%となってしまうという事だそうです

 みんなで 綱引きをするとそれぞれが手抜きをしているということです

 これがチェックという業務だと たくさんの人が同じ報告や資料をみると一人当たりの精度は落ちていくということです

 みんなで見ているから 自分が少しくらいちゃんと見ていなくても大丈夫 という心理が働いている ということなのでしょうか

2.正常性バイアス

 異常事態が発生しているにも関わらず 状況を「正常」と認識し続ける心理的な偏り のことですが

「まさか あの人が間違うわけない」とか「あの会社が不正をしているわけはない」などと勝手に先入観をもって

キチンと見たり判断したりしていないことって 確かにあるな と思います

3.グループシンク(集団浅慮)

 多様性が低い集団でおきがちな危険な意思決定パターン で

 自分たちの実力を過大評価し 集団外の人を過小評価し

 うちのグループで決めたことだから大丈夫だと思い込んで
 
 少数派の人の意見を聞かなかったり リーダーに依存して考えないで付き従うといった行動をすることで

 メンバーの中やそのグループをとりまく人にリスクを感じた人がいたとしても言い出しにくかったりしてそのリスク感覚が反映できなくて

 結果不正や不祥事を見逃してしまう ということになるという事です

4.ヒューリスティックエラー

 「あの人の判断だから大丈夫」と考えてしまう事で

 頼られている人も「前もこんな感じで大丈夫だったし 今度も・・」とベテラン・バイアスに陥り

 頼る方も「ハロー効果」に惑わされていたりして リスクに気付くのが遅れる あるいは気付かない ということになります

5.アンコンシャスバイアス

 無意識の偏見や思い込みから偏ったものの見方をしてしまう事で

 自分で気づかないのが一番危ない ともいえると思います

以上 聞いたことをまとめてみたのですが まったくの受け売りです

ここまで受け売りすると著作件侵害だと叱られないかと不安になりますが(先生お許しください)

一つ一つ 自分に問いかけると思い当たることがありすぎて 不正や不祥事が発生しても それを見つけることができなくても

正義の味方見ないな気分で批判する事なんて恥ずかしくてできないと思わざるを得ませんでした