この間新聞を見ていたら

育児をしていることによって 働き手の賃金が減少することを指す

「チャイルド・ペナルティ(子育て罰)」という言葉が世に広まってきている

そいう一文が目に飛び込んできました

子供がいることで短時間勤務になって賃金が下がったり 昇進が遅れたりする背景には

長時間労働や突発的な対応が求められている働き方や

家事・育児負担の男女間での偏りといった問題がある という指摘です

2023年にノーベル経済学賞を受賞したクラウディア・ゴールディンによると

働き手が「呼び出し可能な」体制にあること、すなわち雇い主の指示する時間に柔軟な対応ができることで

賃金は高くなる現象がある ということが注目されています(「なぜ男女の賃金に格差があるのか」慶応義塾大学出版会)

すなわち家庭・子供のオン・コールに対応せざるを得ない親にはこの「プレミアム」は得られず

それが「ペナルティ」になってしまうという事です

日本では仕事に柔軟に対応する事以外にも勤務地や職務内容にも柔軟な対応することがまだまだ高賃金の条件となっていますので

女性が主として家事・育児を担い 男性が仕事に専念できている限りこの「プレミアム」が女性にはあたえられることはなく

その上 この「プレミアム」は男女の能力差に起因しているような言い方さえされることがあります

末富芳・桜井啓太著「子育て罰」(光文社新書)をみると

狭義の「チャイルド・ペナルティ」でいわれる賃金差だけでなく

子育て世代の生きづらさや公的支援の小ささなどの社会的・政治的要素も含まれていると指摘されています

日本ではそもそも家事・育児を担う人は非正規雇用に集中するので賃金差は大きいのみならず公的支援も少ないことも

日本で他国よりも特段にチャイルド・ペナルティを大きくしていると指摘されています

労働市場の要求する働き方をチャイルド・ペナルティを持つ人基準にするような働き方改革があれば

少しはこの格差も小さくできるのでは という議論もされています

この様な観点からの公的なバックアップも大いに望まれているところでありますが

それだけでなく「子供を持ちたくても持てない」といった訴えに対しての長期的支援(経済成長?)も

前提のところでは必要でしょうし 

子供が子供らしく生活できる社会の在り方ももっと考えないといけないし

子供をもつことに夢を持てる という環境も欲しいし・・・

問題は複雑で考え方の錯綜や対立も根深くあることも現実ですが

二項対立的な議論でなく 男性女性であることに固定観念を持たない多様な生き方を尊重する

ということがもっと大切なこととみんなが認めるようになれば・・・と思うのですが

難しいことですが あきらめない前進がもとめられることなのですが・・・・