私どもの事務所では 品質の高い仕事をするということはどういうことか というとき

お客さまの(暗黙すなわち言葉にださないご希望も含めて)依頼事項を敏感にキャッチし

お客さまの立場にたって ご依頼にこたえる というように言っています

これには 「早く」や「タイミングよく」 といった時間的な要請もあれば

「間違いのない」「適生な」といった内容に関することも含まれます

たとえば 決算申告を依頼されたというとき 申告期限内に間違いのない申告書を作成し提出する

というのは 食べ物屋にいって おいしい料理を出してほしいと期待している というような当たり前の要求で

わざわざ言葉に出されない要求ですが 絶対的な依頼事項であります

また何かご相談があった場合は言葉にだしての依頼で これにも適時に適格なお答えをしてもらえるという

当たり前のご希望がその中には確実に含まれている というのは当たり前のことでしょう

難しく思っているのは 会社のためには あるいはご依頼人のためには ****をアドバイスすることが必要である

とこちらでは切に思っていても お客さまはそれが必要であるとは全く思っておられないといった場合です

また 重要性の順番なども必ずしも一致しているとはかぎりません むしろ一致している方がレアかもしれません

そのような場合 とりあえずはお伝えして まったく無関心だったり反応がなければ 「義務は果たした ちゃんとお伝えしました」

でよいのか(もちろん責任問題になることは回避できたかもしれませんが)「ことの重要性を説得するのがお客さまのためである」

と一段と努力するのがよいのか などと悩みます

ご本人が全く必要と思われないことやあるいは放っておいてほしいと思っておられることを 押し付けようとするような行動は

(違法だったり リスクが高いといった場合は別ですが)善意の押し付けになってマイナスのサービスでしかないと思うからです

それは私共とお客さまとの信頼関係やコミュニケーションの濃度によると言ってしまえばそれまでですが いざとなると悩みに悩みます

つい先ごろ 一件お客さまからお断りを受けたという事件がありました

何か大きな間違いをしたとか ご不快になるようなことをした あるいはご要望にお応えしなかった といった直接的な原因はおもいつきませんでした

いわく「社内の経理の能力もアップしたので 日常の会計業務や決算申告については社内でできる また節税を最重要な課題とも思っていない・・・」というようなお言葉でした

その上(?)管理会計等についてはコンサル会社にお願いするとのこと・・・

それ以来ずっと考えています

もちろん言葉に出てこない あるいは優しさで言葉にされなかった ご不満があってのことであることは十分承知しています

税務については 会社に有利になるような税制については十分注意をして申告をはじめ税務処理をしてきた というのは当たり前ですが

会社の経理スキルとは少し違うものだと思っていましたが 専門性のある税務処理とは思ってもらえなかったのだろうか・・

おりにふれ 管理会計や予算管理や事業部別の会計についてもお話をしていたと思っていたが 本当はそれだけで別のサービスと言えるくらいの内容のものをのぞまれていたのか・・・

あれやこれやまたしても頭に浮かびます

ひとことで言ってしまえば トップとのコミュニケーション不足 

あるいはお忙しいトップとなかなか話し込む時間を積極的に確保すべきだった

といったところなのでしょう

もっといえば 何でも相談できる といった信頼性が築けていなかった ということ以外のなにものでもないと思います

しかし ではどうすればよかったのか・・・ 

そのようなことに気づいていなかったわけでなく 意識はしていたものの・・・ ともなると何ともやりきれません

もともとご依頼のあった時の社長ではなく 二代目社長ともなると人間的なつながりを深めることは難しいものだとも痛感しています

お客さまに喜んでいただける いうのは易し 実行は難し・・です