「失敗の本質」という日本軍の組織論的研究の本があります

なぜ日本軍は敗戦したのか ということについての研究です

そのポイントを思い切り要約すると(以前にもこの欄で書いたところですが)

① 「戦術」で勝って「戦略」負けた

② 現実を自分に都合よく解釈し 戦果を誇大認識する

③ リスクや脆弱性から目を背ける

④ 現場の優れた人材を左遷し 肩書が上の人間の責任を追及しない

⑤ 戦闘の第2ラウンド 第3ラウンドの想定をしない

⑥ 情報の徹底的な軽視が生む非現実的な楽観主義

というところにあるといわれています

今 わが身にもひたひたと迫ってくるコロナとの闘いのニュースを見ていて

この「失敗の本質」を思い出しました

今回のコロナとの闘いにおいても

現実を都合よく解釈し 戦果を誇大認識する ということが起こっています

情報の徹底的な軽視が生む非現実的な楽観主義がはびこっています

まるで少しの間首をすくめていれば コロナは誰かが退治してくれると思っているようなメッセージ

夏になればインフルエンザウィルスの活動は低下するから流行は収まってくるとか

ワクチンが入ってくれば収束する とか・・・・ 色々聞きました

この戦いのリーダーが誰かというのも今一つ明確になっていないように感じます

国なのか 厚労省なのか 都道府県知事なのか・・・・

都道府県知事のできることは限られているので国が例えば緊急事態宣言を発出してくれないと・・

という話があり べつのところでは 現場に近い自治体の長が一番現場をよく知っているから・・

と最前線に立つ知事にすべてをゆだねるかのような発言があったり

専門家の感染防止の意見については「聞くが 決定は政府が・・」と言ったり

経済も守らなければもっと犠牲者が増える とも言ったり

各論的には どの意見も正しい(?)のかもしれません

しかし それについての 科学的分析や全体的・俯瞰的な状況分析などが何も説明されないまま(分析自体されていないのかも)

感染予防だ 経済支援だ とウロウロしているようにしか見えなかったり

検査の技術や知識 あるいは 医療サービスの適正な配分などリーダーしかできないことが

一杯あると思われるのに 

つまりは 今何をすべき時で 何と戦っているのか という目的があいまいなままだから

ただただ自粛のお願い 時短のお願い・・・と一年前とまるで同じセリフしか聞こえてこないと

言われてしまうことになっていると感じます

個人の権利を侵害するような あるいは営業の権利が・・・等々 

まるで何もしていない(できない)のではなく そのような権利の侵害に配慮しているといわんばかりの言葉があったり

きちんとした科学的な情報に基づき 今**をいなければ次にはこのようになる だから・・という

説得力のある施策が打てないままになっていると思います

一世紀近く前の失敗(の本質)と今のコロナ対策の失敗は全く同じようにしか見えません 

少なくとも 今は平常時ではないのだから このままいくと****になるのでそのためには 

全員で全力で**をしなければならない 

何かするときには 必ずそれに反対する人が出てきますが

しかし 本当に危機感を持った(口先で言葉だけいうのでなく)根拠のあるリードには

心ある人はそれを評価し 積極的に自分のできることをする という行動をとれると思います

今は平常時でないのですから それなのに「いつもの通り」のルールの中で対応する・・・

何か根本的にずれているような気がします

私は決して決して戦争など想定もしたくないと思っていますが

このような国では 何か起これば国は亡びる ということが見せつけられた 

そのような思いがする今日この頃です