私共の事務所では 事務所の会計 資金の管理は担当の職員がになっています

個人事務所ですから 最終的には私が意思決定し 資金についても私個人で工面することになります

昔 その当時会計を任せていた職員が私にこのように提案しました

「毎年の利益は 職員全員の働きによって獲得したものであるから

年度末に決算をして利益がでていれば 全員に配分すべきではないでしょうか?」

「自分たちには それをもらう権利がありますよね」

私はこの言葉を聞いて、私とその担当者の間にある埋めがたい溝を感じて 茫然としました

ある年度に大きな利益が生じた そしてそれは全員の協力があっての成果である という場合

決算賞与のような形で成果を配分することは有り得ることであり 異議を唱えるものではありません

しかし 毎年生じた利益は常に全員で配分する というのはどういうことなのでしょう

生じた利益は自分たちの労働と努力の成果であるということに一理あることはわかります

それでは もし損失が生じたら 全員が拠出して損失を補てんするのでしょうか

何年かに一度のシステムの更新の時には その他大規模修繕のように多額の資金が必要なときは

皆で資金を負担するのでしょうか

それならば

一定期間の間に退社した人 新しく入社してきた人はどのような配分になるのでしょうか

会社で言うところの株主の権利 経営者の権利と義務 従業員の権利と義務 其々の立場の違い

どのように区分してどのように配分すれば適正といえるのでしょうか

利益はみんなのもの リスクと資金の負担は事業主の義務・・・・・

明確にそのような認識があったかどうかはわかりませんが

私たちのように 会社の経営や会計に関係する仕事をする専門職ですら

そしていわば取締役的な立場のひとですら そのような認識と権利意識です

大昔に習ったドイツ式経営の話を思い出しました