利益とは 収益から費用を差し引いた余剰です

収益は原則として用役の提供や商品等の納品の時点で認識しますから

収益(たとえば売上)を計上したとしても必ずしも収入(入金)があったとはかぎりません

また 費用も同じで費用の計上があったとしても必ずしも支出(出金)があったとはかぎりません

したがって 計算したら利益が出た といっても 必ずしも現金預金が手元にあるとはかぎりません

ましてや 借入金の返済がある場合などは 返済の支出は税引き後の可処分所得を持って返済しますから

返済が多いときは いくら利益をあげていても 現金も預金も手元には残らないというのはいくらでもあります

世にいう「勘定あって銭足らず」の状態です

将来の計画をたてるにあたって 予算を策定するというのは一般的におこなわれます

しかし 資金繰りはしても資金収支計画はしているようで そうでないようです

ある意味 予算では損益トントン 大きな利益が見込めなくても 資金収支が黒字である方が望ましいといえましょう

そうならば 予算を策定したら 納税額を差し引き 減価償却や引当金繰入額をプラスし 借入金返済額をマイナスし

といった調整計算をして 資金収支計画もつくり 打つべき方針を確定していくことが大切になります

そのような試算をかさねると 売上債権の滞留や在庫の増加などがいかに資金を圧迫するかが

実感をともなって腑に落ちます

また投資計画も 投資額に見合う収支の流れをみることによって 意思決定しなければならない ということも

よく見えてくると思います

時々 予算とか資金収支計画というと 経理部長に作成するように指示します と言われる社長がおられますが

自分のイメージする将来像を予算と資金収支に置き換えることは社長ご自身にしかできない作業だと思います

決算のような詳細にわたるものである必要はありません 百万円単位程度でよいので

そして 売上や費用の数字を予想して集計したといった程度のものでよいので 是非是非自分で作ってみてください

きっと 会社の資金の流れが納得できるものとして見えてくると思います