従業員エンゲージメントについてはつい最近(5月6日)のこのページで述べていますが

今後の経営を考えるに重要な概念となりますので 改めてまとめてみたいと思いました

従業員エンゲージメントとは企業に対する従業員の思いや態度を表す言葉です

この従業員エンゲージメントは単なる従業員の満足度やモチベーションではなく

所属企業や組織に対する理解と信頼感を前提条件とするもっと大きく重要な概念で

自発的な貢献意欲などは従業員エンゲージメントの発露であると考えられています

前回で人的資本経営について少し記載しましたが それと同じく

この従業員エンゲージメントに注目が集まっているのは

まさにこのエンゲージメントが高くなければ長期的な従業員の貢献を期待することはできず

企業の成長発展に必要不可欠なものであると認識されているからです

従業員満足度・モチベーション・忠誠心は従業員エンゲージメントと似ている概念ですが

満足度が主として企業側が提供する条件や待遇について左右されるものであり 

場合によっては経営者と従業員で綱引きするような内容であるのに対し

従業員満足度が低い状況でも向上させる可能性をもっているのが従業員エンゲージメントといわれています

またモチベーションは動機付けや意欲あるいは目的意識とでも呼ばれる概念ですが

これと従業員エンゲージメントの関係をいうなら 

企業への貢献意欲が従業員エンゲージメントを向上させるモチベーションになり得ると言えます

忠誠心は企業に貢献するという意味では従業員エンゲージメントとよく似ていますが

殿様と家来のように上下関係があるのが忠誠心で これは理解や信頼度の有無に関係なく存在し得るものです

企業への理解と信頼感をベースにした自発的な貢献意欲であり 愛社精神ともいえる従業員モチベーションと忠誠心は

従業員エンゲージメントとは相容れない概念であるということができます

日本企業ではこの従業員エンゲージメントは高くないといわれています

2017年の米ギャラップ社の調査によれば 日本は熱意溢れる社員が6%しかいないという結果が出ています

調査対象の139ケ国の中で132位という位置はほぼ最低ランクと言われています

その原因として終身雇用や年功序列の悪影響や働き方を選びにくい企業文化の影響などがあげられますが

そもそも日本企業ではこの従業員エンゲージメントを向上させる取り組み自体行われていないなどともいわれています

そして従業員エンゲージメントを向上させる手段として

現状の従業員エンゲージメントを把握する

企業の理念や目指すところを明確に示す

企業の存在感を示す

コミュニケーションの活発化

ワークライフバランスへの対応

キャリア形成の明確化

正しい人事評価と報酬の明確化と適正化

福利厚生の充実化

などがあげられています

従業員エンゲージメントが従業員個々の心の内で生まれることを考えると

これらの手段はいちいちもっともとうなずけるところです

だからこそ 個に着目した制度つくりから始める必要があるのでしょう