メンタル不調
(2025年10月27日 09:00) カテゴリー:所長通信メンタル不調で休職する といったことは そんなに珍しいことではなくなったように思います
自分の周りでも やる気がでない 仕事に行くことがつらい という訴えを聞くこともありますし
人間関係のもつれから 出社できなくなった人に どうしてあげればよいのかなどという話も聞くことがあります
いくら本人の話を聞いても 周りの人から話を聞いても 何が問題でどのようなことがおこっているのか
わからない といったケースもあります
私自信 若いころ 仕事に行こうと家はでたものの 通勤電車の中で涙が止まらなくなった などという経験があります
今思い返しても 具体的にはっきりと原因が特定できませんし どのようにして回復したのかと明確な記憶もありません
昔は仕事疲れだ とか 誰でもそんなことあるよ などと言われ 自分の気持ちをだましだまし日々を過ごしているうちに
なんとなく元通りになったなどという事も わたしだけでなく結構あったように覚えています
メンタル不調で休んでいた従業員の復職をめぐって医師の間で判断が割れた場合 会社はどう対応すればよいのだろうか
という記事を新聞でみました
適応障害で休職中の女性が 主治医から「復職できる」とお墨付きを得たが
会社が指定した医療機関の医師は「就労は困難」と診断
結果復職を認められなかった女性は休職期間が長引き退職扱いとなったという事案での訴訟記事を見ました
本件では メンタル不調で休んだ場合 復職を決めるのは主治医ではなく会社であるので
会社の指定した診療所での受診結果が採用され復職は認められず 休職期間が満了となり自然退職となったのですが
会社は明らかに違法な行為をして特定の従業員だけに不利な扱いをしたと断定できるようなことはない ようです
判決では指定医が丁寧な診察をした形跡があきらかでなく 依頼主である会社に忖度したと思われる経緯もあるとみて
主治医の診断も出ているならば 指定医だけでなく 主治医の意見も十分に尊重すべきで
指定医の診断結果だけを鵜呑みにして判断するのは許されない として自然退職を無効としています
指定医の診察が「結論ありき」に見えないこともないような 色々の理由があるなどの事情も反映しているようですが
いずれにしても 外科的な傷があるようなものでないので なかなか症状や診断をどのように受け止めて良いのか
難しいようです
メンタル不調の訴えは他人からは見えないので判断は難しく その裏には職場環境や人間関係が原因と思えることも
あるでしょうから 本人も会社もどちらにとっても納得できるような結論は難しいようです
できることならば 休職などに至らない方がよいに決まっていますが
メンタル不調を本人が主張すると 医師も「そんなはずはない」とは断定できず
その主張をもとに診断書を作成することになるようですので
会社としては反論して戦うことも難しく 一方的に従業員の主張を押し付けられた形になって
休職中も給与の支払いを強制されたり待遇について本人が了承するまで「改善」を続けなければならない など
他の従業員の関心が高まる中 とめどなく不利な立場に追い込まれる という事も考えられます
いずれにしても 確実な対処方などなく 悪質な従業員が個人的不満の解消や金銭をもらうために色々な訴えを起こし
会社はまきこまれても 下手な対応などすると 名誉を傷つけたとか言われ ますます泥沼にはまってしまった
という事もあり得ることも想像できます
この様なことが起こらないことが一番の予防でしょうから
ハラスメントなどの研修をすることをはじめ 社内の意識を高め 常に従業員の相談を受けられる機関(専門家)をおく
などするところから まずは始めるのが 急がば回れ ではないですが 確実で有効な対処になるかもしれないと思います