先日 SNSの普及に伴い 大量の情報が目の前を流れていき

普通の私たちでもその大量の情報に接し ともすればその渦に気付かないまま巻き込まれてしまう

SNSで社会は変わってきている

というようなことを

だから接する情報の真偽を見極める目を育てる 巻き込まれないような注意を常にするなど心がけたい といったことを

この欄に書きました

それでつくづくと考えていたのですが

なぜ偽情報が拡散してしまうのか その理由を知りたいと思うのですが

東京経済大学教授の佐々木先生が日経新聞に寄稿されている記事では

行動経済学の先駆者として知られるダニエル・カーネマン氏によると

人間は「システム1」と「システム2」の2つの認知過程を持つという事です

「システム1」は高速で「直感的な」過程で「システム2」は注意力を伴った「頭を使う」作業に必要な過程とされます

肝要なのは「システム1」は低コストで判断できる点では優れるものの 

「システム2」も使わないと正確な意思決定はできない ということです

その上彼は 人は自分の考えに沿う内容を本当だと信じ 沿わない内容をウソだと思う傾向がある という確証バイアス研究でも重要な貢献をいしているのですが

米コーネル大学のゴードン・ペニークック准教授は この2つの認知過程と確証バイアスが 偽情報とどのように関係しているかとの研究において

偽情報をウソだと見抜けないのは確証バイアスのせいではなく「システム2」による分析的思考が足りないことが要因だとする実証的論文を発表してられます

もう少し簡単にいうと私たちがもうちょっと頭を使って情報に接したら偽情報の拡散を減らせる可能性があるということです

となれば 私たちはなぜ「システム2」を作動させにくいのか ということになります

佐々木先生の文では「情報過多が原因だと考えられる」と言われています

私たちはとりまく社会が情報過多だと認識していますし 主観的な世界でたくさんの情報のから様々な意味をみいだしておりその中味も各人それぞれです

そのような渦の中を生きている私たちに情報過多状態で社会生活への不安や不満をかかえて分かり合うのは難しいと思われるとのことです

となると もとに戻って偽情報が拡散しないように という課題の解決は非常に難しいと認めざるを得ないのでしょうか