インポスター症候群とは

「客観的に高い評価を受けても自分の能力や達成したことを肯定的にとらえられず

周囲をだましている詐欺師のように感じる心理状態を指す」と説明されています

良い成果に対してほめても「私なんか・・」と自己評価が低い社員はこの症候群であるらしく

男性より女性に多く キャリア形成を阻害するとされています

また 求人の場で女性は男性と同等の能力や資格を持っていても 

応募率が男性に比べて著しく低いという研究結果もあります

日本の管理職の女性割合が低いのもこの症候群の一つの現れといわれてもいますが

管理職になりたがらないのは女性の意欲の問題と考える企業もあり

また 一般の女性に対する好感度を意識して 

謙虚なふりをしている卑怯者というようにとらえられる場合もなくは無い様にも思います

その上 家庭内における仕事の分担に対する考えや育児に主として従事するのは女性という慣習がまだまだ強いところでは

管理職になったとしても 益々個人的な負担が増加するだけで 

その割には自分に対する評価のアップや報酬の増加がそれに見合わないと感じることも先輩を見ていると感じることから 

自信の有無より損得勘定のような根拠で「なぜわざわざしんどいことに首を突っ込まなければならないのか」

と否定的な反応をするという事も まだまだあると思われます

しかし 能力のある人は年齢や性別に関係なく 登用して活躍してもらわないと社会的な損失であり

何よりも その本人の幸せ度が低いままであるという不幸は意識するしないに関わらず問題であります

最近では女性もどんどん社会にでて活躍できる世の中となってきていますし

昔のように 「女にできるわけがない」とか「女だてらに・・」と言われることも少なくなってきていると思います

ならば それでも管理職などに尻込みするのは やはりインポスター症候群の影響であることは否定できないところかと思います

リクルートワークス研究所の浜田敦子「WORKS」編集長は

「日本でもインポスター症候群は女性活躍における一つの課題」と指摘されており

「自信のなさは能力のなさによるものではなく 経験や機会の差である」と説明されています

近年インポスター症候群は女性だけでなく 20~40歳代前半の若手や中堅男性の問題としてとらえられても来ています

多数派の価値観の中で自分の居場所を感じられなくなった少数派が陥りやすく

従来型の強いリーダー像が正しいとされる会社では そのやり方を踏襲できない人は 

男性であっても自信を持ちにくいと思われます

これを乗り越えるには ある程度の自信を持つことが必要なのですが

女性や若手社員は経験が乏しく「私にもできるかも」と思えない場合が多いので

それらの人たちにも若いうちから経験を積ませたり どのようなスキルが求められているかを明確にしたりして

手を上げやすくする環境づくりが必要だと思われます

また 前例がなくても あるいは前例とはちがっても 自由な発想や発言を受容し合える居場所があることは重要です

昨今社会における多様性の必要性やそれの受容について色々な議論がなされており 

その内容についてうなずけるところも多く目標も持ちやすくなっていると感じていますが

一番身近な会社をはじめとするグループでも多様性をもっと意識して取り組まなければならないと思っています