先日 能面を博物館でみました

もともと そちら方面に知識も何もないので それが素晴らしいものかどうか 何ともわからないのですが

よく見ると 表面に細かいひび割れのようなものがみられたり 色もあせているような感じがしたり

昔はきっとすごいものだったのだろうな という感じをもちました

その後 たまたま 能面についてのコラムを目にしました

能面は舞台などでずっと使用されていると つけている人の息や汗を吸い 体温を感じ あせないというような事が書いてありました

また 舞台で使われる能面は 一つの面でも喜怒哀楽いろいろな表情を見せるそうです

そういうのを 生きている というのでしょうか

そういえば ひな人形を古くから保存している蔵からだしたら 急にお顔にヒビが入ったというよう話も聞いたことがあります

また 大切な美術品などを保管したり展示するにあたっては 湿度や温度や光の管理が大変難しいとも聞きます

このようなことを見聞きすると 伝統を継承する ということについて考えさせられます

日本では 文化財に認定(指定?)されると 国宝になったというようにいわれます

国宝は まさに国の宝ですから 大切に保存され承継されます

また 人間国宝といわれるような無形文化財は承継する人がなくてとだえる などとも心配されています

確かに人間国宝は 承継する人がなければとだえてしまいますし ある意味そのようなものだから人間国宝に指定されるのかな などとも思います

しかし 有形の国宝だったら 大切に保存していけるのでしょうか

まったく失われてしまうよりは保存だけでもすれば 学術的に有意義なのでしょうが やはり日常のなかで息づいていないと 単なる物体になってしまうような気がします

京都という土地に住んでいますと 日常的に伝統を重んじて・・というような話に接します

しかし 伝統を守るというのは京都全体を博物館にしてしまう ということとは違うと思われます

伝統は生き続けてこそ 伝統であり続ける 

私はそのようにおもうのですが いかがでしょうか?