新聞を見ていたらインポスター(詐欺師)症候群という 今までなじみのなかったことばに出会いました

インポスター(詐欺師)症候群とは 辞書的にいうと

自分の力で何かを達成し 周囲から高く評価されても 自分にはそのような能力はない 評価されるに値しないと

自己を過小評価してしまう傾向のこと   と説明されています

その特徴として

成功体験から自信をつかむことができず これまでの成功は自分の力によるものではない ただ運がよかっただけで

周囲が手助けしてくれたからに過ぎないと思い込み

自分のキャリアはまがいものだと後ろめたく感じたり 

いつか自分が詐欺師であることが発覚するのではないかといった不安な心理状態に落ち込んでしまったりする

といった傾向があげられるということです

これは 一般的に男性より女性が陥りやすいとされ 聡明で有能な女性 高いキャリアを築いている女性や

専門職の女性に多い傾向があるとされています

企業でも昇進やプロジェクトのリーダーなどの打診に「私には無理です」と辞退してしまう女性が少なくないようですが

今までそれは 女性が一般的に家事や育児や介護などをもっぱら担っていることが多いので

男性社員にくらべて仕事だけに集中できることがないと予想して あとで責任を追及されたり

「やっぱり女は・・・」的なセリフが耳に入ってくるストレスを避けるのが賢い処世と思ったりするからである 

と理解していましたが その中にはこのインポスター症候群のために自信を持てずにいるケースもあったと思います

私の来し方を振り返っても 数少ないチャンスに勇気を振り絞ってチャレンジしようとしても 

周りから(それも自分に近い周り)厚かましい(それも女は謙虚な方がいいよ なるおまけ付き)といわれたり

人が足らなかったから誘われたのに 自分の能力が認められたとカン違いしてるバカな奴 と聞こえるようにささやかれたり

雑音が雑音にとどまらない大きさで降ってくることがありました

そのころはインポスター症候群なることばが知られていた(ひょっとしてなかった?)ころでもなく

私は 私が認められたことに対する周りのやっかみか男の僻みだ と一生懸命思い込もうとしていました

人を低く評価することによって相対的に自分を高く位置づけようとしているのだと考えてみたり

そしてもし結果がでなくても それは私のせいではなく 私を起用したひとの責任と開きなおることによって

押し寄せるプレッシャーから逃げる方法を見つけて 心の健康を保とうとしていました

(とはいうものの 自分の心の中にもそのように言われることも当然と肯定する気持ちも十分ありました)

女性に多いとされる この心理状態(思い込み?)も全くの根拠のない話ではないと思います

まさに私が昔受けた「言葉」の数々は 今はなくなったわけでなく

「社会の無意識の偏見」の及ぼす影響があると言われています

家庭でも学校でも「女の子」はこうあるべきだ という空気(偏見)は根強く

「女の子」のほうも 求められる「良い子」でありたいとすることが多く

それからはみ出すことを過度に避け

何かをしたとき予想しなかったネガティブな評価に

自分のやり方のまずさや それに至った原因が能力や努力不足であると自分を責める 

という経験を小さい時から無意識であるかどうかにかかわらす重ねてきています

また社会人になっても 女子にはキャリア発展に関係のなさそうな仕事を振られたり

「これは女性には大変だ・・」などと不要な配慮(思いやりと思われているとは思います)で

負担の多い仕事は男子に回されたり

失敗が回避される代わりに自信をつけるチャンスも奪われる という経験を積みます

女性の活用などというならば このような「壁」もあることに気付いてほしいと思います

すでに「ぬるま湯」に使っている方が楽 というところに落ち着いてしまった人もたくさん見ます

男女にかかわらず若者が大志をもてない 持たない時代とも聞きます

女性にかかわらず 男性であってもどちらを向いてどのように努力すればよいのかを見失っているようにも見えます

無意識のものを解消することは難しいことではありますが

この様な偏見があると意識し

世界で誰もが認める「すごい」女性でも インポスター症候群になっていると告白する人が出てきている

これらの流れの中で 自信を持てず自分を低く評価してしまって苦しんでいるのは自分だけでない

女性でも自信を持っていいんだよ ということを

当の本人が受け入れられれば・・・

そしてまわりは「あれは女でない男だ」といった持って回った訳の分からない称賛をしないで直に認める

という世の中になっていけば そのような世の中を作ると意識をもっていけば と思います