世界中で起こっている事件を見るにつけ

パワーとは何かと考えさせられます

独裁国家のリーダーの言動や パワーを求める行動に

「権力」の魅力やパワーというものを垣間見た気になります

今 パワーをめぐる ハーバード大学の講義が人気になっているとのことですが

そこではパワーををめぐる以下のような根深い誤解があると教えられています

➀ パワーは所有できるものであり 
  一部の恵まれた人にはパワーを獲得する特殊能力が備わっている

➁ パワーは地位によって決まり 国王や女王 大統領や将校 取締役やCEO 
  富裕層や有名人のために用意されたものである

➂ パワーは汚れた存在であり それを巧みに使いこなすには人を欺き
  強権を発動し 冷酷に振舞わなければならない

そして 上記のような誤解が積み重なると 自由で健全な生活を脅かす権力の乱用を防いだり 食い止めたりすることが難しくなるとのことです

パワーについて正しく理解できれば 一部特権階級にパワーが集中するリスクを軽減することができるとも言われています

パワーの力学 すなわちどんな要素がパワーを構成し それがどう作用するのか について学ばねばなりません

この場合のパワーとは 他社の行動に影響を与えられる能力を言っていますが 

それならば

相手に影響を及ぼすには その人が大切に思っているリソースへのアクセス権を支配すればよい というこになります

突き詰めると 人間が満たしたいと思う基本ニーズは2つだということです

一つは「安全」 もう一つは「自己肯定感」です

従って たとえば 水、食料、住居、病気や暴力からの保護といった肉体的 精神的なものへの アクセス権を手に入れればパワーの源泉になると言えます

どんな人でも 十分なパワーと十分な時間をあたえられれば

それを乱用するリスクが高まるのは避けられない ということです

このパワーを抑制するには

パワーを個人または少人数の集団の手に集中させるのではなく

多くの人で共有すべきという点

権力者に説明責任を負わせる という点

この2点を踏まえた構造的な制約が必要となるという知見はすでに積みあがっています

後は 市民が集団としてパワーを監視する責任を負っていると全員が自覚すること
と言われています

個人として また市民の集合体として 自らのパワーを理解し 構築し 行使する

そして 個人の権利と自由を補償し 不公正なパワー構造と闘う

そのために 私たち一人ひとりが パワーは全員にかかわる問題として

認識する必要がある ということです

(ニューズウィーク日本版の7/12号から採録させていただきました)